はじめに、今後のデジタル戦略のアプリを成功させるための重要なポイントをご紹介していきます。
業種にかかわらず、アプリ開発の目的が明確になっているかは重要です。
アプリ開発の目的は芯となる部分であり、そこがぶれているとどんなアプリも失敗してしまうでしょう。失敗するのは、アプリ利用の目的や利用後の展望が描けていないからです。
たとえばある大手食材宅配企業は、自社アプリの利活用に3回も失敗しました。ダウンロード件数増加後の展望を描けなかったのが原因で、今はLINEといったSNS活用へかじを切ってしまっています。
アプリ運用の社内体制を整えておく
アプリ運用の社内体制も事前に確認してスケジュール化しておく必要があります。
アプリは開発してリリースしたら終わり、ではありません。
アプリ運用において必要な人材は、たとえば
●アプリのデザイン担当者
●マーケティング立案担当者
●フィードバックを基にした改善実行者
●すべてをまとめるディレクター
などです。
兼任するケースもあるでしょうが、マーケティングが回るように1人に負担が集中しない体制構築が重要です。担当ごとの業務内容や量などを考えながら、適切な人員配置を行えるかが重要になってきます。
将来的な離職や採用、配置転換まで考えて担当を配置しておくと良いです。同じ人員がいつまでも同じ業務に対応するとは限りません。
アプリ制作で必要なコンテンツの洗い出し
アプリ制作で必要なコンテンツは、
・店舗側で必要なコンテンツ
・ユーザー側で必要なコンテンツ
の2つに分かれます。2つが重なり合うケースもありますが、2視点でそれぞれどういったコンテンツが必要なのか整理しながらバランスをとってアプリ制作を行っていきましょう。
店舗側で必要なコンテンツ
・プッシュ通知を使ってのセグメント配信機能
・アンケートの配布機能
・各指標の分析機能
ユーザー側で必要なコンテンツ
・クーポン特典(初回ダウンロード、誕生日クーポン、通常クーポン常設3つ以上)
・スタンプ特典
・ポイントカード提示機能や会員証機能
・店舗検索機能
ここで注意したいのが、ユーザーが便利・お得と思ってくれないとアプリマーケティングは成功しない点です。
既存のお客様の声を聞きながら必要な機能を選定して、それをベースにアプリを設計していく作業が必要不可欠になります。
アプリリリース後はいろいろな販促活動を行う必要があります。
こちらのセクションでご紹介しているので、参考にしてみてください。
自店でアプリリリースの告知を最大限実施しダウンロード数を増やす
・ホームページ(HP)へのアプリリリース告知
・SNSでのプロモーション
・実店舗でのプロモーション
・折込チラシやDM
・企業としての目標設定を行う
ホームページ(HP)へのアプリリリース告知
HPへアプリリリースに関する告知を出すのはよく見られる事例です。すでにあなたの店舗のHPがそれなりのPVや訪問者を獲得しているのであれば、アプリのリリース告知効果も大きくなります。
ただし実店舗市場については個別の店舗サイトよりもポータルサイト(ぐるなびやホットペッパーなど)が上位掲載されやすい傾向にあるので、自店舗を知らないユーザーとタッチポイントを持つのは難しいかもしれません。
HPでアプリのリリース告知を行う際は、
・トップページのスライド画像でリリース告知を大々的に行う
・LPを別に設けて誘導する
・追従バナーで目立つようにする
といった手法が取れます。
しかし宣伝できてもダウンロードされなければ意味がないので、アプリストアリンクやQRコードなどを貼ってすぐにその場でダウンロードできる環境を構築しておくのも重要です。
SNSでのプロモーション
SNSマーケティングとして、店舗でTwitterやInstagramを活用した情報宣伝をしているパターンもあるでしょう。SNSでのプロモーションは面白い投稿ができれば、拡散効果で二次、あるいは三次の情報宣伝効果が見込める点が魅力です。
またSNSではそれぞれのサービスで広告機能も提供しているので、利用すると自店舗アカウントをフォローしていないユーザーともタッチポイントを持てます。
ただし自店舗圏外のユーザーにも誤って広告が表示されないように地域設定を絞って公開するのを忘れないようにしましょう。
動画を作成して公開できるスキルがあれば、「Youtube」といった動画プラットフォームでショート動画などを公開して宣伝する方法も取れます。「アプリを使えばどんなお得があるのかを、登場人物が出てくるストーリー仕立てでスムーズに理解できる動画にする」といったように、コンセプトに沿って面白い動画を作ってみてください。
実店舗でのプロモーション
実店舗でのプロモーションもアプリ販促として有効です。すでに自店舗へ来店して好意を持ってくれたお客様へ効率よくアプローチができます。
・卓上POPや店頭ポスター、のぼりなどで宣伝を行う
・名刺サイズのチラシなどをレジへ設置しておく
・直接来店前後のお客様へ声掛けしてダウンロードしてもらう
といったプロモーション方法があります。
店頭にお客様がいる間しか宣伝ができないので、さりげなく宣伝を行えるようにする、その場でダウンロードできるようにしておくといった工夫が必要です。
折込チラシやDM
折込チラシやDMなどを使えばインターネット以外にもアプリダウンロードの接点を持てます。チラシの一部にQRコードを貼り、「今すぐダウンロード!」といったフレーズでアプリをダウンロードしてもらえるように準備しているケースもあります。
ただし折込チラシやDMでの販促は補助だと思っておきましょう。チラシやDMを配布するのはコストが掛かりますし、Web上で販促したほうがターゲットを絞れて効率がよいからです。
アプリダウンロード数の目標設定を行う
アプリマーケティングにおいては数値に基づいた目標設定も重要です。後で分析をスムーズに行えるよう、大きな目標(KGI)や小さな複数の目標(KPI)を設定して目標を数値化しておきましょう。
たとえば
・KGI:アプリを使って前年度比から売上30%アップ
・KPI:ダウンロード数1万突破、クーポン利用率を50%にするなど
といったモデルケースが考えられます。
またチェーン展開している場合は店舗ごとにダウンロード施策を評価して、特にダウンロード数が多い店舗では表彰を行いボーナスを付けるといった工夫をすると店舗内での販促モチベーションも高まるでしょう。
まとめ
今回は、アプリの目的、ダウンロード数を伸ばしてアプリマーケティングを成功させるための設計や販促方法をご紹介してきました。
アプリマーケティングにおいてはまず必要なコンテンツを選定、社内運用体制の構築、またリリース後の継続目標や販促活動の工夫などが必要です。
各施策に正解はないので、実際にテストで施策を運用しながら分析を行い改善を行っていきましょう。